
暗号資産市場全体の時価総額が初めて4兆ドル(約624兆円)を突破し、イーサリアム(Ethereum/ETH)などの主要銘柄が上昇を牽引している。
ETHは現在3,800ドル(約59万4,000円)付近で取引されており、過去14日間で約50%上昇。2024年12月以来となる4,000ドル台到達が目前に迫っている。この上昇によりアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)市場全体に再び活気が戻り、Coinmarketcapによるセンチメントスコアは、4月の12/100から現在56/100へと大きく改善している。
こうした中、今後のアルトシーズン(アルトコイン主導の強気相場)を見据え、投資家が注目すべきおすすめ仮想通貨4銘柄を紹介する。
TOKEN6900(T6900)
今週最も注目を集めている新規トークンの一つが、ミームコイン(ネットミームを基にした暗号資産)であるTOKEN6900(T6900)だ。同トークンは、プレセール(先行販売)で既に91万5,000ドル(約1億4,300万円)以上を調達している。
TOKEN6900は「Brain Rot Finance(脳が腐るような金融)」の基準点と自称し、ユーティリティ(実用性)や基礎的価値は一切持たないエンタメ特化型の仮想通貨である。
名称は、S&P500指数をパロディ化した人気ミームコインSPX6900(SPX)に由来する。SPXは立ち上げ以来147,000%という驚異的な上昇を記録しており、T6900はそれに続く成長を狙っている。さらに、SPXの供給量より1枚多い93,099,3091枚という供給上限も話題となっている。
プレセールでは500万ドル(約7億8,000万円)の資金調達を目指しており、その40%をマーケティングに充て、ミームコイン界隈でのバイラル拡散を狙っている。ステーキング(保有資産を預け報酬を得る仕組み)も提供されており、年利(APY)は567%と高水準だ。
仮想通貨アナリストのClinix Crypto氏は、TOKEN6900が2025年に最も利益を生むミームコインの一つとなる可能性があると評価している。
Ethena(ENA)
Ethena(ENA)は、イーサリアム上に構築された合成ドルプロトコルのガバナンストークン(運営権限を持つトークン)であり、自身のステーブルコインUSDe(価格が安定した暗号資産)を暗号資産担保と先物ヘッジによって支えている。
ENAの2025年の価格変動は大きく、年初には1.25ドル(約195円)だったが、6月には0.22ドル(約34円)まで下落。しかし、ETHの上昇を受けて反発し、過去2週間で91%上昇、直近7日間では40%近い上昇を記録している。
アナリストのカムラン・アスガー氏は、ENAが0.28〜0.50ドル(約44〜78円)のレンジで投資家から積極的に買われていると指摘。現在は0.51ドル(約80円)付近で取引され、重要なレジスタンス(上値抵抗線)に接近している。
アスガー氏は、これを上抜ければ、2024年4月につけた過去最高値1.52ドル(約239円)への再挑戦が現実味を帯びると予測している。ETHの価格上昇が続く中、ENAは高い上昇余地を持つ“ETH連動型”アルトコインとして注目を集めている。
Bitcoin Hyper(HYPER)
Bitcoin Hyper(HYPER)は、2025年における有望な新トークンの一つで、ビットコイン初のレイヤー2ネットワーク(既存のブロックチェーンの外部で処理を拡張する技術)を構築しようとしている。これにより、ビットコインの送金を高速化・低コスト化し、DeFi(分散型金融)対応も可能にする。
同プロジェクトのプレセールはすでに380万ドル(約5億9,500万円)以上を調達しており、勢いを見せている。
HYPERは、Solanaベースの仮想マシン(SVM)を活用することで、ビットコイン上で即時トランザクションやステーキング、DeFiプロトコル、dApps(分散型アプリ)の開発を可能にしている。さらに、信頼性の高いブリッジ(資産の移動)やZK証明(ゼロ知識証明)によるセキュリティ、レイヤー1・2間のスムーズな連携を実現している。
HYPERトークンは最大で年利241%のステーキングが可能で、すでに2億1,700万枚以上がロックされている。
ビットコインの価格が高値を更新する中、アナリストのClayBro氏はHYPERが次世代のBTC活用において重要な役割を果たす可能性があると評価している。
Cardano(ADA)
Cardano(ADA)は、スケーラブルで安全性の高いスマートコントラクトや分散型アプリケーション(dApps)を実現するプルーフ・オブ・ステーク(PoS)型ブロックチェーンである。
直近1週間で20%上昇、過去24時間でも5.8%の上昇を記録しており、ADAはこのところ堅調な動きを見せている。また、過去12か月での上昇率は108%を超えている。
この勢いを受けて、さらなる上昇を予想する技術的分析も増えている。X(旧Twitter)で1.2万人以上のフォロワーを持つアナリストのMintern氏は、ADAが大規模ブレイクアウトの初動段階にあるとし、現在の0.90ドル(約141円)から最終的には3ドル(約471円)まで到達する可能性があると述べている。
加えて、TradingViewのテクニカル指標では、1週間チャートで「強い買い」と評価されており、買い圧力が高まっている。時価総額が320億ドル(約5兆円)を超えるCardanoは、今なお信頼性の高い投資対象として存在感を示している。
※本記事は投資助言ではありません。仮想通貨への投資は必ず自身での調査(DYOR)を行った上で判断してください。
