ビットコインの電力消費が多いマイニング(採掘)プロセスは、長年にわたり環境への悪影響が問題視されてきた。こうした中、新たなアルトコインプロジェクト「Bitcoin Bull Token」が登場し、従来型マイニングの負荷を伴わずに、ビットコインの価値上昇から利益を得られる仕組みを提供している。
Bitcoin Bull Tokenは、リソース集約型の「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」を採用するビットコインとは異なり、イーサリアム上で稼働するトークンである。スマートコントラクト(自動実行契約)を活用し、物理的なマイニングを不要とする形で、ビットコインに似た報酬構造とブランド価値を取り入れている。
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— BTCBULL_TOKEN (@BTCBULL_TOKEN) June 20, 2025
そもそも、ビットコイン最大の課題のひとつは、マイニングによる環境負荷の高さである。Investopediaによれば、ビットコインのマイニングとは、仮想通貨の取引をブロックチェーンに記録し、新たなビットコインを流通させるプロセスを指す。
具体的には、専用コンピュータを使って暗号パズルを誰よりも早く解いたマイナー(採掘者)が、取引の記録ブロックをブロックチェーンに追加し、報酬として新たなビットコインを受け取る仕組みである。
しかし、このプロセスには膨大な電力が必要となることが知られている。NerdWalletによると、ビットコインのマイナー全体で消費される電力量は、いくつかの国の年間消費電力量を上回るほどだという。CoinGapeの報告では、年間6500万トンもの二酸化炭素が排出されているとされている。
このような課題に対し、Bitcoin Bull Tokenは代替策を提示している。イーサリアムを基盤とし、ビットコインの価格と連動する形で設計された同トークンは、スマートリワード(自動報酬)メカニズムを通じて、マイニング不要でビットコインベースの報酬を保有者に分配する。
この設計により、仮想通貨に精通した投資家は、大規模な電力消費やインフラ整備の負担なしに、ビットコインの価格上昇や報酬に連動した利益を得ることができる。
さらに、Bitcoin Bull TokenはERC-20トークンであるため、イーサリアムが採用する「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」エコシステム内で稼働している。イーサリアムは「マージ(The Merge)」と呼ばれるアップグレードにより、PoWと比べて99%以上のエネルギー削減を実現している。
このような背景から、Bitcoin Bull Tokenは、ビットコインのエコシステムに持続可能かつ手軽に参加できる手段として注目されている。マイニング装置や専門知識は不要で、ウォレットとトークンを保有するだけで参加が可能だ。さらに、定期的なトークンのバーン(焼却)や供給量の上限設定により、希少性と価値の向上も狙っている。
Redditのユーザーからは、次のようなコメントも見られる。
「ビットコインと競合するのではなく、共存するというアイデアが良い。マイニングなしでBTC風の報酬が得られるのは実用的だ」
別のユーザーはこう述べている。
「損しても大丈夫な範囲で投資するのが基本。でもこれは、車輪の再発明をしようとしているわけじゃない。ただ報酬をもっと簡単かつエコに手に入れやすくしているだけだ」
とはいえ、Bitcoin Bull Tokenも課題を抱えている。既にビットコインやイーサリアムといった既存の主要トークンが支配する市場において、信頼性を確立する必要があるためだ。イーサリアムはグリーンなバリデーションへと移行したものの、スケーラビリティや新興アルトコインとの競争に直面し続けている。
これに対し、Bitcoin Bull Tokenは、マイニング不要でビットコイン報酬を得られるという二重の魅力で独自のポジションを築いている。プレセールへの関心も高まりを見せており、支持者らは「報酬性」「希少性」「ビットコイン的なトークノミクス」を犠牲にしない、環境配慮型の選択肢だと評価している。
一方で、ビットコイン関連企業の中にも、環境負荷削減に取り組む動きが出ている。たとえば、マイニング大手のMara Holdingは、米テキサス州の風力発電施設を取得し、自社事業の一部をオフセットする方針を打ち出している。こうした動きは、業界内でも環境意識が高まりつつあることを示唆している。
とはいえ、こうした仕組みに直接関与せず、よりクリーンでシンプルな手段でビットコイン関連のリターンを得たいと考える投資家にとって、Bitcoin Bull Tokenは有力な選択肢となる可能性がある。