
PayPal(ペイパル)の共同創業者ピーター・ティール氏を中心に、AI、仮想通貨、防衛技術のスタートアップを対象とする連邦認可の新銀行「Erebor(エレボール)」の設立が進んでいる。
多くの伝統的な銀行が依然として仮想通貨に慎重な姿勢を示す中、Ereborの登場はデジタル資産に対する機関投資家の信頼が高まりつつあることを示している。
このような動きが広がる今こそ、次に注目すべき新しい仮想通貨を検討する好機と言えるだろう。
Erebor銀行、著名投資家の支援を受けて仮想通貨業界へ参入
Ereborの設立には、ティール氏だけでなく、防衛テック企業Anduril(アンドゥリル)のパーマー・ラッキー氏、データ分析企業Palantir(パランティア)のジョー・ロンズデール氏、そしてティール氏の投資会社であるFounders Fund(ファウンダーズ・ファンド)も名を連ねている。
これらの人物はいずれも、テクノロジーおよび仮想通貨分野において最も影響力のある存在として知られている。
Ereborは、2023年に破綻したシリコンバレー銀行(SVB)のように、多様な仮想通貨企業に対して金融サービスを提供することを目指している。SVBは、低利回りの債券への過剰な投資とテック業界の資金流出により取り付け騒ぎが起き、2008年のワシントン・ミューチュアルに次ぐ米国史上2番目の規模の銀行破綻となった。
Ereborは次なる金融イノベーションの中心地となることを狙っており、ステーブルコイン(価格が安定した仮想通貨)をバランスシートに計上する計画も進めている。
同行の共同代表には、ステーブルコインUSDCを発行するCircle(サークル)の元アドバイザーであるジェイコブ・ハーシュマン氏と、コンプライアンスソフトウェア企業Argus(アーガス)の共同創業者であるオーウェン・ラパポート氏が就任する予定だ。
Circleでの経験を持つハーシュマン氏の存在は、仮想通貨金融および規制遵守における知見を銀行に直接もたらすことになる。一方、Argus出身のラパポート氏は、金融リスク管理および機関投資家向けのコンプライアンス基盤を強化する役割を担う。
タイミングとしても適切で、最近では米上院でステーブルコインに関する包括的な規制法案「GENIUS法」が可決され、業界にとって大きな前進と見なされている。
Ereborの登場は、デジタル資産に対する機関支援の広がりを象徴する動きであり、次に大きく成長する仮想通貨として、Bitcoin Hyper(HYPER)、TOKEN6900(T6900)、Parcl(PRCL)に注目が集まっている。
Bitcoin Hyper(HYPER)──ビットコインの課題を解決するLayer 2ネットワーク
Bitcoin Hyper(HYPER)は、単なるミームコインではなく、ビットコインの課題である「処理速度の遅さ」「手数料の高さ」「スマートコントラクトの非対応」に対応する先端的なLayer 2(第2層)ソリューションを提供するプロジェクトである。
Solana Virtual Machine(SVM)上に構築されたこのネットワークは、ビットコインのメインネットと並行して動作し、低コストかつ高速なトランザクションを実現する。さらに、オフチェーンでの取引処理を可能にし、ビットコインのLayer 1で安全に決済される「カノニカル・ブリッジ」を中核に据えている。
この手法は、SolanaにおけるLayer 2プロジェクトSolaxyの成功──プレセールで5,800万ドル(約91億円)を調達──にも通じるものがある。
Bitcoin Hyperはすでに180万ドル(約2億8,000万円)を超える資金を調達しており、同様の成長軌道をたどっている。現在の販売価格は0.012125ドル(約1.9円)で、2025年第3四半期のネットワーク正式ローンチに向け、早期投資者にとって有利なエントリーポイントとなっている。
Layer 2の正式な稼働後には、年内に0.32ドル(約49円)への到達も見込まれており、最大で2,540%の上昇が期待されている。
加えて、現在は418%の高利回りでHYPERのステーキングも可能であり、プレセール参加によるインカム獲得のチャンスでもある。
TOKEN6900(T6900)──既存ルールに反旗を翻すアナーキスト・トークン
TOKEN6900(T6900)は、伝統的金融(TradFi)および分散型金融(DeFi)の常識に挑戦する「アナーキスト・トークン」として設計されており、ユーティリティやロードマップ、技術革新の約束は一切掲げず、「混沌の中に秩序なし」という立場を貫く。
このトークンは、S&P500を風刺したパロディコインSPX6900(時価総額11億9,000万ドル)から着想を得ており、供給量に追加のERC-20トークンを加えたことで「上位互換」と称している。
最大の特徴は、自らを「非腐敗型トークン(Non-Corrupt Token、NCT)」と位置づけている点で、インフレなし、手数料なし、裏口操作なしという透明性を訴求している。
数日前にローンチされたばかりにもかかわらず、すでにプレセールで19万1,000ドル(約3,000万円)以上を調達。現在の販売価格は0.006425ドル(約1.0円)で、0.007125ドル(約1.1円)に達するとプレセールは終了する予定だ。
その後は主要取引所での上場が見込まれており、Binance上場銘柄が平均して30日以内に73%の上昇を記録することから、価格上昇の期待も大きい。
Parcl(PRCL)──不動産市場をオンチェーンで取引可能に
Parcl(PRCL)は、2025年7月3日以降の24時間で価格が35%上昇するなど、急速に注目を集めている暗号資産である。
背景には、実世界資産(Real World Asset、RWA)トークンへの関心の高まりがある。Parclは、不動産市場をオンチェーンで取引可能にする新たな手法を提供しており、Solana上に構築されたプラットフォームでは、マイアミやニューヨーク、ロサンゼルスといった主要都市の不動産価格に連動するデジタル資産を売買できる。
物理的な不動産を所有することなく、価格の上昇や下落を予測して投資するスタイルは、コモディティや株式の取引に類似している。
各都市には「Deal」と呼ばれる合成資産が用意されており、その価格はParcl LabsおよびPyth Networkのオラクルによって日次で更新される。
住宅ローンや入居者、頭金などの煩わしさを排除したこの仕組みにより、リアルタイムかつ流動性の高い不動産投資が実現している。
PRCLトークンは、Bybit、MEXC、OKXなどの主要取引所で0.08529ドル(約13円)で購入可能であり、同プラットフォームのガバナンス機能にも参加できる。
総括──Ereborの登場が仮想通貨市場に与える影響
Ereborの設立は、規制順守と技術革新の両立を目指す「仮想通貨ネイティブ」な金融機関の時代の到来を象徴している。
ステーブルコイン発行に関する知見や、リスク管理の専門性を持つリーダー陣を擁する同銀行は、かつてのシリコンバレー銀行の役割を担う可能性もある(ただし破綻は避けたいところだ)。
より重要なのは、この動きにより、仮想通貨市場全体に対する機関投資家の関心がさらに高まり、HYPER、T6900、PRCLといった成長性の高いトークンにとって大きな追い風となる可能性がある点である。
ただし、仮想通貨には依然として高いリスクが伴う。投資にあたっては、自身での十分な調査(DYOR)と慎重な判断が求められる。
